コストマネジメント

経費削減のアイデア 企業の利益率向上に必要な経費削減18選

経費削減は企業の利益を上げるために欠かせない施策です。利益率を上げるためには、ただ売上を増やすだけでなく、経費を抑えることが重要です。しかし、下手をすれば生産性低下や離職率増加、売上低下につながりかねません。

企業のコスト削減には、人件費やオフィスコスト、経費などさまざまな方法があります。例えば、人件費削減には業務効率化やアウトソーシングの活用、オフィスコスト削減には設備機器の入替やサプライヤーとの契約見直しなど、様々な手法が存在します。こちらの記事では、多くの企業が取り組める経費削減の具体的なアイデアを18種類紹介します。企業の経費削減にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

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プロレド・パートナーズでは、コストマネジメントのコンサルティングを承ります。 自社の現状把握や、実行支援をご検討される際にはお気軽にご相談ください。

 

直ちに実行できる経費削減の具体的なアイデア

ここからは自社で行える具体的な経費削減のアイデアをご紹介します。どの企業でも経費として支払っているものばかりなので、額としても少なくないものだと思います。一つ一つの削減額が小さくても全社的に行うことで大きな効果を上げられることがありますので、まずは出来るものから取り組みましょう。

1.エネルギー費(電気)

エネルギー費にはガス代も含まれますが、ここでは企業において使用が多く、コスト削減効果の高い電気代について取り上げます。使用量を削減する方法と、契約している電力会社やプランの切り替えによりコストを削減する方法があります。

  • 空調の残熱を利用することで運転時間を短縮できます。終業時刻より15分~30分早めに空調を停止することで消費電力を削減しましょう。
  • 事務用機器は業務終了時に電源を停止しましょう。コピー機やプリンターに省エネモードがある場合は設定し、業務終了時は速やかに電源をOFFにすることで消費電力を削減できます。
  • デマンド監視システムを導入するという手法もあります。デマンド監視システムとは高圧受電の電力供給者の電力消費量を監視して目標の設定値に収まるように警告したり、空調などを自動制御したりする装置です。

2.コピー料金(複合機)

コピー料金とは、複合機の本体価格と月々のチャージ料金を指します。複合機本体はリース形式が一般的となっています。チャージ料金はコピーの使用枚数1枚毎に課金される形式となっており、保守と併せて保守点検費用という名目になっています

  • 使用方法に合わせたコピー機を設置するようにしましょう。白黒はA社、カラーはB社というように、業者にこだわらず最も安い契約で選ぶことでコスト削減ができます。
  • 枚数が多い場合は印刷業者に発注するのも手です。金額を確認し印刷業者に依頼する基準枚数を決めておくとよいでしょう。ラクスル等のネット印刷も検討しましょう。
  • 保守契約を切り替えることで保守費用の削減につながります。2台以上の場合、フルメンテナンス契約から、必要に応じて依頼するスポットメンテナンス契約に切り替えを検討しましょう。1台の場合は、故障時に素早い修理が必要なためフルメンテナンス契約の方が良いと考えられます。

3.通信費

通信費とは、電話、ファックス、インターネットにかかる費用の他に、はがき代、郵便切手代、及び郵便小包や宅配便等の配送料金が含まれます。ここでは電話、ファックス、インターネットにかかる費用について取り上げます。

電話やインターネットでは、最適なプランの選定がコストの適正化において最も重要だと考えられます。はがき代、郵便切手代、及び郵便小包や宅配便等については、『配送・郵送費』の項目の中で紹介しておりますので、そちらをご参照ください。

  • 定期的に複数の通信業者にプランの提案を依頼し、最適なプランを選定するようにしましょう。コスト面と運用面のバランスが最適なプランを選定することが肝要です。
  • 国内メーカーのサーバー保守はそのメーカー以外では保守が難しいため、導入してからの交渉では大きな効果が得られない場合が多いため、導入時に交渉する必要があります。
  • 携帯電話間、また、固定電話と携帯電話の通話が無料になる仕組みを導入しましょう。ソフトバンクのおとくプランなどを適用することで通信費の削減が出来ます。

4.配送・郵送費

配送・郵送費とは、はがき代、郵便切手代、及び郵便小包や宅配便等にかかる費用を指します。荷物の集約、小型化等によりコストを削減することが可能です。

  • 配送業者数社に見積もりを取り、価格交渉を行いましょう。ヤマト運輸、佐川急便、日本通運、福山運輸、西濃運輸等、複数社で比較して最も安い業者に発注します。
  • 郵便局の各種割引も見逃せません。手紙、はがき、第三種郵便物は一定以上の数があれば大口割引があります。他にも同一宛先割引、複数口割引等様々な割引制度があるので有効に活用しましょう。
  • 料金後納郵便を利用しましょう。毎月50通以上の郵便物/荷物を送る場合は、料金後納のサービスを利用することが出来ます。料金を1ヶ月分まとめて自動引き落としにすることができたり、切手を貼る手間が省けたりと、事務作業を簡略化できます。

5.出張・旅費交通費

出張・旅費交通費とは、役員や従業員が通勤や業務で移動する際に必要となる旅費や交通費を指します。旅費には宿泊費の他に出張手当等も含みます。旅費規程の策定、見直し等によりコストを削減することが可能です

  • 安価な経由での通勤を徹底し6ヵ月定期券の購入を義務付けましょう。複数の通勤経路がある場合は社員の申告制ではなく、会社の指定した最も安い経路での通勤と、割安になる6ヵ月定期の購入を義務付けます。
  • ポイントやマイルは総務部で一括購入・予約することで会社に帰属させることができます。割引は会社の物として活用しましょう。
  • 社内会議の場合、人数等を考慮して場所を決めます。全国から社員が集まる会議等の場合、本社を前提とせず、移動する人数を考慮して場所を設定することで移動費と移動時間の削減につながります。

6.清掃・警備費

清掃・警備費とは、清掃業者、警備会社に自社の清掃、警備を委託する場合にかかる費用を指します。清掃費は、どの範囲を業者に委託するかでコストが大きく変わります。また、警備費については、業種によって必要となる警備のレベルが異なり、自社に最適な警備体制を決定することが重要となります。

  • 効率の悪い作業や過剰な人員の配置が行われていないか、勤務実態の確認を行いましょう。古い清掃方法で作業していることにより、効率が悪い作業が行われている場合があります。
  • 管理会社との契約の場合は、実際の清掃会社との直接契約に切り替えることでコスト削減が出来ます。注意点として、管理会社の手数料が削減されますが、直接契約によりどのような業務を自社で実施する必要があるのか精査する必要があります。
  • 可能な限り機械警備に切り替え、系議員の人数を削減しましょう。初期投資が掛かりますが、警備システムの導入により防犯度を高めることもできます。

7.車両費

車両費とは、自動車の維持管理に関する費用(ガソリン/洗車/修繕/定期点検/オイル交換/パンク修理・タイヤ交換/部品交換/車両修理/車検など)を指します。

  • 自動車保険の見直しを見直しましょう。定期的に保険内容を見直し、都度相見積もりを取得し保険料の削減をします。
  • 車両の運行ルールを策定しましょう。車両の使用を許可する距離や場所にルールを設けることで無駄な運行を削減できます。
  • 車両の保有はせずに、レンタカーやカーシェアリングに切り替えましょう。駐車場代や維持費、税金、保険の削減が行えます。

8.事務・消耗品費

事務・消耗品費とは、ボールペン、はさみ、のり、伝票類の作成費等、事務処理に関わる費用を指します。全社一括購入により単価を下げる方法や、従業員のコスト意識を高めることによって数量を削減する方法等があります。コピー用紙については、印刷にかかる費用『コピー料金(複合機)』の項目の中で紹介しておりますので、そちらをご参照ください。

  • ネット通販で配送料がかかる購入金額で発注しないようにしましょう。送料無料になる金額までまとめてから発注することで無駄な配送料を削減できます。
  • 事務用品、消耗品は総務部門の一括購入としましょう。購入部門を1つにまとめて管理することで、各部署で制限なく購入してしまう状況を防ぎます。
  • PCにインストールするソフトは使用するものだけにしましょう。機種等によっては使用しないソフトも存在するので、それぞれの社員に合わせて必要なソフトだけをインストールするようにしましょう。

9.接待交際費

接待交際費とは、得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答等に支出する費用を指します。接待や贈答品は慣例となっていることが少なくありませんが、そういった接待の削減、お中元、お歳暮、年賀状等を送らない取り決めを作ること等でコスト削減が見込めます。

  • 接待交際費予算の決め方を見直しましょう。基準を設けることで不要な接待費を減らすことが出来ます。
  • 使った接待交際費を「見える化」しましょう。使用金額を全社員に共有することで可視化され抑制の意識が働きます。
  • 接待交際費の使用報告を義務化しましょう。どのような内容で、どのような効果があったのかについて報告させましょう。

10.研修・採用費

研修費とは、業務において必要な知識や技術を習得するための研修会費用、セミナー費用、講習会参加費用等を指します。採用費とは採用に関する人材紹介会社への紹介手数料や、広告媒体への出稿費用、採用説明会を行う際の会場費用、ブース出展費用等を指します。研修、採用のどちらも企業にとって欠かせない重要な業務ですが、これまでのデータの蓄積等によりコストを削減することが可能です。

  • 外部の有料研修は極力利用せず、社員を講師として研修を行いましょう。できるだけ研修を内製化します。社員が有料研修への受講を希望した場合には、内容を精査して受講できる研修を絞り込むようにしましょう。
  • 研修を受けた社員にレポートの作成や報告を義務付けましょう。レポート作成の手間を考え、研修受講希望が抑えられ、また、社内資産として蓄積することで研修の効果を把握できるようになります。
  • 会社が求める人材を明確にすることで採用費を削減することが可能です。基礎的なスキルや仕事に対する考え方、将来に対する思いなど、会社として求める人材をあらためて明確に定めて言語化し、複数の面接官採用基準を均一にしましょう。

11.人件費

人件費とは、従業員を雇用することによって発生する費用です。人件費の削減は社員のモチベーション低下に直結する恐れがあることから、慎重に進める必要があります。ここでは主に給与について取り上げます。福利厚生費や交通費については別途項目を設けておりますので、そちらをご参照ください。

  • アウトソーシングを積極的に活用しましょう。アウトソーシングで出来る業務を洗い出し、業務委託費用と人件費で比較して削減を目指します。
  • 休日出勤は原則禁止、やむを得ない場合は事前に上長の承認を必須とします。休日出勤手当を支給するのではなく、振替休日を支給しましょう。ただし、就業規則に振替休日の規定を置かなければならないなどの規則があるので注意が必要です。
  • 助成金を活用しましょう。中小企業緊急雇用安定助成金や、職業訓練実施により得られる人件費に関する助成金等を活用できる場合があります。

12.福利厚生費

福利厚生費とは、従業員の福利厚生の為に、給与、交際費以外に全員に平等に支出する費用です。具体的には住宅手当・家賃補助、制服の費用、慶弔見舞金、社員旅行費用、厚生施設費用等を指します。他社に比して手厚いと考えられる場合、あるいは好景気であった時に作成された規定で贅沢な内容である場合等は削減の余地があると考えられます。

  • 自社保有施設や直接契約しているスポーツ・リゾート施設を見直し、福利厚生支援サービス企業の提供メニューを利用しましょう。自社で保有するよりも安価にできるうえ、サービスも充実します。
  • 確定拠出年金制度を導入しましょう。通常の給与の一部を確定拠出年金の掛金とすることで、掛金の部分には税金がかからず節税対策にもなります。
  • 家賃補助の支給額の見直しをしましょう。首都圏、大都市圏、地方都市圏、地域で分けて支給額を決めることが必要です。

13.支払手数料

支払手数料とは、金融機関の振込手数料、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士、行政書士、社会保険労務士等の外部の専門家に対する報酬、不動産業者に支払う仲介手数料等を指します。ここでは金融機関の振込手数料及び、クレジットカードの手数料について取り上げます。インターネットバンキングや振込代行サービス等の新しいサービスも確認しておきましょう。

  • 従業員の給与振り込み先の銀行を指定しましょう。使用する銀行と同じ銀行に限定・推奨することで、手数料を浮かすことができます。
  • クレジットカード会社各社に、料率の削減交渉を行いましょう。クレジットカード利用総額と業種、与信等で料率は設定されますが、交渉によって下げることは可能です。ただし、JCB、AMEXは難易度が高いので注意が必要です。
  • 料率の高いクレジットカード会社のカードは解約しましょう。ただし、解約時の影響を良く精査する必要があります。

14.広告宣伝費

広告宣伝費とは、商品やサービス、会社などを広く一般に売り込むための広告や宣伝、販促等にかかる費用のことを指します。代理店手数料や無駄な広告を減らす施策が効果的であり、抜本的に見直すならばmROIの視点も重要になってきます

  • チラシやDM、POPの印刷費を見直しましょう。格安な印刷会社に入稿し、印刷費を削減します。フルカラーから2色刷りにするなど仕様変更も有効です。
  • ドメイン・サーバーを切り替えましょう。ドメイン維持費、サーバー費用をより安い会社に切り替えることで維持費を下げることが出来ます。
  • 広告宣伝費の効果検証を行いましょう。投資効率を用いて広告宣伝費による効果があるかを検証しましょう。

15.損害保険料

損害保険料とは、事業を万が一の事故や災害等のリスクから守るために掛けた保険料を指します。自動車保険や自賠責保険、事業所の火災保険などがこれに当たります。保険に関しては定期的な見直しが効果的です。不要な特約に入っていないか、限度額は適正かといった部分に削減の余地があります。

  • 必要な保険金額の見直しを行い、最適な保険金額にしましょう。事故があった際に支払われる金額が必要十分であることの確認が必要です。
  • 事故が減るためのリスクマネジメント講習を開きましょう。リスクマネジメント講習を行うことで、保険料を削減できる場合があります。
  • 他社の保険会社へ変更しましょう。他社と相見積もりを取得しただけで、数%以上の削減見積もりを取得できることもあります。

16.修繕費

修繕費とは、事業所等の建物や備品などの修繕・修理費用を指します。相見積もりと条件交渉によって大きな削減が可能ですが、そもそも修繕とならないよう物品や建物を大切に扱うことが最も効果的なコスト削減となります。

  • 簡単な修繕は自社でこまめに行いましょう。日常清掃や小さな傷の補修などは道具や部材が揃えやすく自社で手を付けやすいものです。小さな汚れや傷などを発見したら直ぐに清掃または補修をしましょう。直ぐに対応することで被害の拡大を防止でき、さらなる出費を抑えることが出来ます。
  • 修繕完了までにかかる工賃を削減しましょう。外注に修繕工事を依頼する場合、緊急度により出張費が高額になることもあります。緊急時の工賃の確認を行い、通常と緊急時の工賃の差を確認しておきましょう。
  • 従業員全員で施設や備品を大事に扱うことが重要です。管理チェックシートなどを設け、管理職が率先してお手本を示し行動しましょう。

17.新聞・図書費

新聞・図書費とは、会社経営に必要とされる、研究や調査、統計などを目的に購入される新聞や書籍、資料などに要する費用を指します。最近では購入自体を無くす企業も増えてきていますが、安価に購入する方法もあるため、必要性を再度見極めることが大切です。

  • 定期的に購読の必要性を見直しましょう。閲覧者数のチェックを行い、最新状況を把握した上で解約も検討しましょう。
  • 長期契約や年間契約などで割引を受けましょう。割引率と長期契約のデメリットを勘案して購買期間を決定する必要があります。
  • WEBの有料版を利用してみましょう。法人契約により一人当たりの単価を引き下げられます。インターネット環境やパソコンの使用状況などによっては適さない場合もあるので注意が必要です。

18.顧問料

顧問料とは、弁護士、税理士、社会保険労務士などの士業、もしくは各種コンサルタントなどの専門家に対して支払う費用を指します。コスト削減の対象となりにくい認識がありますが、他との比較やサービスに応じた適正価格か等を見直すことで削減が可能です。

  • 料金単価を引き下げ交渉しましょう。担当が国家資格などの保有者か否かを確認し、資格のないスタッフであれば、料金削減の交渉がしやすくなります。
  • 固定報酬から成果報酬に切り替えましょう。固定報酬に費用対効果がない場合は、成果報酬などのよりリーズナブルな契約形態に切り替えることでコストの削減が可能です。
  • 新システムの導入を検討しましょう。システムの導入で、内製化できる内容を増やし、委託内容を低減します。そのためにシステム導入費との兼ね合いを検証する必要があります。

まとめ

この記事では、企業の経費削減について、すぐにでも実行できる具体的なアイデアをご紹介しました。経費削減は細かい施策の積み重ねです。その積み重ねが企業にとっては利益を生む重要な施策となります。ぜひこの記事を参考に経費削減に取り組んでみてください。

プロレド・パートナーズはコストマネジメントに特化したコンサルティング会社です。購買戦略、条件交渉、そして業務改善までをワンストップで、かつ完全成果報酬でご提供しております。エネルギーコスト(電気、ガス料金等)、施設系コスト(修繕やビルメンテナンス費等)、金融系コスト(保険、クレジットカード手数料、振込手数料等)、オフィス系コスト(コピー、事務用品、通信、リース等)など、幅広い費目をコンサルティングしており、各費目にスペシャリスト(専門家)を配置しているのが特徴です。プロレド・パートナーズのコンサルティングサービスにご興味がございましたら、ぜひご連絡ください

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