環境

風力発電はどのような仕組み?メリットや課題を簡単に解説

風力発電は、温室効果ガスの排出量が火力発電に比べて少なく、ヨーロッパなど多くの国で導入が増えている発電方法です。政府目標のカーボンニュートラルを2050年までに達成するため、日本でも太陽光発電と同時並行で導入が増えています。風力発電は、再生可能エネルギーの一つで、重要なエネルギー源として位置づけされています。しかし風力発電の仕組みがよくわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、風力発電の仕組みやメリット、今後の課題を中心に解説します。エネルギー関連に興味のある方は、ぜひ最後まで読んでください。

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風力発電とは

風力発電とは、風の力を利用して風車を回して、電気を作り出す方法です。風車は一般的には、3枚のブレードでできており、プロペラのように回転します。風が強ければ強いほど、回転速度が上がり、発電量が増えますが、時には風車の回転速度が上がりすぎてしまい、安全に発電出来る回転速度を超えてしまう場合があります。その際には、安全の為に回転を停止できるようになっています。

風力発電は、現在世界中で導入が進み、ヨーロッパの一部の国では、国全体の電力発電量の4割以上を風力発電で賄っています。

参考 EURACTIV 

風力発電の仕組み

風力発電は、発電機に付いているブレードが風により回転し、その回転運動が発電機に伝達され発電しています。主に5つの部品や仕組みで構成されています。

  • 可変ピッチ機構…風の強さに応じて、羽根の傾きを変化させて、風圧を調整する仕組みです
  • ブレード…風車の羽根を指します。風車には、3枚のブレードのプロペラ型が多く採用されています。
  • 増速機…ブレードの回転を発電機が必要とする回転速度まで高めます。
  • 発電機…風車の回転運動を電気に変換します。技術の進歩とともに大容量化が進み、現在では2,000kW以上が主流の発電機です。
  • 方位制御機構…風を正面で受けるために、ブレードを旋回させる装置です。「ヨー制御」ともいわれており、自動モーターで作動し、効率よく発電できるために必要不可欠な設備です。
参考:東京電力リニューアルパワー HP
   電気事業連合会 HP  
   東京電力リニュアブルパワーHP 

風力発電の設置場所

風力発電は陸上と洋上に設置することが可能です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

陸上風力

風力発電を沿岸部や山岳部などの陸上に設置する方式です。一定水準以上の年間平均風速があり、かつ広大な土地が適しています。日本国内では、北海道、東北に多く設置されています。

洋上風力

海洋上に風力発電を設置する方式です。洋上風力には、「着床式」と「浮体式」の2種類があり、コスト面、技術面から「着床式」の建設が先行しています。

着床式と浮体式の違いは以下の通りです。

方式着床式浮体式
設置方法風力発電の基礎(支持構造物)を海底に直接埋め込む浮体構造物を設置し、海底のシンカーに繋ぎ止める
メリット技術的なハードルが低い着床式よりも広い場所で設置可能
デメリット設置箇所が制限される(水深50m以下が主な対象)コストや電力輸送などの技術的な課題が存在

風力発電の種類について

風力発電は回転軸の方向で、以下の2つのタイプに分けられます。

  • 水平軸風車
  • 垂直軸風車

水平軸風車は、風車の回転軸が地面と水平になっており、主に4種類存在します。

  • プロペラ型
  • オランダ型
  • 多翼型
  • セイルウィング型

水平軸風車の特徴はそれぞれ以下の通りです

プロペラ型

風力発電で最も代表的であり、発電に最適な風車です。 羽根の数が少ないほど高速回転をしますが、一般的には、バランスに優れた3枚羽根が使われることが多いです。

オランダ型

風車に4〜6枚の羽根を利用して回します。羽根は木製で、障子の格子のようになっています。羽根に布を巻いて風を受けることで、生み出したエネルギーをポンプの駆動等に利用します。

多翼型

羽根が約20枚付いており、揚水用としてアメリカで使用されてきました。回転力が強く、音が静かで、修理が容易な点が利点です。その利便性から海外のボランティア活動などで、その技術は使われています。

セイルウィング型

垂直に押し返す力を利用して回転します。風量が少なくても回転し、騒音も少ないのが利点です。ただし、実用化された風力発電は少ないため、今後の研究開発に期待されています。

垂直軸風車は、風車の回転軸が地面と垂直なっており、主に4種類存在します。

  • クロスフロー型
  • サボニウス型
  • ダリウス型
  • ジャイロミル型

クロスフロー型

適度な角度を持った細長い湾曲状の羽根を、等間隔につけた形をしています。全方位からの風に対応しており、起動トルクが大きいため、自力での回転も可能です。回転数が低く、風切り音が発生しないため、設置場所の条件が緩和されます。

サボニウス型

半円筒形の羽根2枚で構成されています。羽根を円周方向にずらして、置くことで、弱い風でも風向きを選ばずに発電ができます。

ダリウス型

羽根を弓型に曲げて垂直軸に取り付けています。起動トルクが小さく、自力での回転が不可能であるため、起動のためにモーターなどの力を借りる必要があります。

ジャイロミル型

複数枚の羽根で構成され、羽根の上下の面積に大きな差を作ることで、揚力が発生しやすいような構造になっています。自力で回転が可能であり、回転し始めると高いトルクを発生し、最高速度に到達しやすくなることから、多くの発電量に期待が出来ます。

日本で代表的な風力発電の事例

日本で代表的な風力発電は以下の3つです。

  • ウインドファームつがる
  • 能代港洋上風力発電所
  • ユーラス宗谷岬ウインドファーム

それぞれの特色についてみていきましょう。

ウインドファームつがる

所在地青森県つがる市
運転開始日2020年4月1日
総最大出力121.6MW
総事業費500億円

日本で最も出力の大きい風力発電です。38基の風力発電機があり、一般家庭の約90,000世帯分の電力供給に相当します。

参考:株式会社グリーンパワーインベストメント公式サイト

能代港洋上風力発電所

所在地秋田県能代港港湾区域
運転開始日2022年12月22日
総最大出力84MW
総事業費1,000億円

日本で最も大きい洋上風力発電です。20基の風力発電機があり、近くの秋田港と同時に開発を進めています。

参考:中部電力公式サイト 秋田県能代港における洋上風力発電プロジェクトの運転を開始

ユーラス宗谷岬ウインドファーム

所在地北海道稚内市
運転開始日2005年11月
総最大出力57MW
総事業費120億円

日本で最北端にある風力発電です。57基の風力発電機があり、稚内市の電力の約6割を賄っています。

参考:ユーラスエナジーホールディングス公式サイト ユーラス宗谷岬ウインドファーム

風力発電のメリットと今後の課題

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風力発電の仕組みや、代表的な発電所を説明してきました。ここからは、風力発電のメリットとデメリットを解説します。

風力発電のメリット

風力発電のメリットとして、以下が挙げられます。

  • 燃料が不要である
  • クリーンなエネルギーを作れる
  • 他の再生可能エネルギーと比較して、発電効率が高い
  • 夜間でも発電可能

風力発電は、火力発電等と異なり、燃料を使用しないことから資源枯渇の心配がなく、発電時にCO2を排出しないことから、脱炭素にも寄与出来ます。

太陽光、地熱などの他の再生可能エネルギーと比較して、発電効率が優れていることや、風が強い場所もしくは安定して風が吹く場所であれば年中一定の発電ができ、夜間でも稼働するため1日中発電可能なことが特徴として挙げられます。

風力発電の今後の課題

一方で風力発電のデメリットは以下のとおりです。

  • 設置場所が限られる
  • 天候や風の強さ

風力発電は、一定以上の風速で風が吹き続けていることが重要である為、設置場所が限定されます。加えて、風車の騒音が発生する為、建設の際には地元との合意が必要となります。

また、風が吹く場所であっても、天候によって発電量が左右されることは避けられず、台風や暴風の場合は損傷の恐れがある為、発電を停止する必要があります。

まとめ

今回は風力発電の仕組みやメリット・課題について解説しました。

2030年の脱炭素目標の実現に向けて、政府主導で風力発電の開発が進められていることからも、風力発電は、再生可能エネルギーの一つとして、今後重要性が増していくでしょう。

プロレド・パートナーズでは、企業の環境への取り組みや脱炭素へのアドバイスやコンサルティングを承っています。今後再生可能エネルギーの導入を考えている方は、ぜひプロレド・パートナーズへお気軽にご相談ください。

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